市場の動揺はいったん落ち着いたようだが油断は禁物だ。
ニューヨークダウは、10日と11日の2日間で1377ドル74セント下落し、2万5052ドル83セントと、3日の史上最高値2万6828ドル39セントからは1800ドル近く低い水準を付けた。日本や欧州など主要国の株式市場も連動する形で大幅に下落し、世界同時株安となった。
その契機は、米国の長期金利上昇だ。代表的指標の米国の10年国債利回りは、9月前半は2.9%台、9月後半は3.0%台で推移していたが、10月に入って米国の雇用統計など景気の好調さを示す指標が続いたことで急伸し、5日に3.228%にまで上昇した。
金利上昇自体は、株価にとってマイナス要因だ。株式より変動リスクの小さい債券の利回りが高くなれば、それだけ株式から債券へ資金が移動しやすくなる。加えて過度の金利上昇は、今後の景気を冷やすことになる。
16日の日経平均株価が前日比277円94銭高の2万2549円24銭、ニューヨークダウが同547ドル87セント高の2万5798ドル42セントで引けるなど、足元では、株安の連鎖は止まっている。