「調整休暇制度」で時間外勤務を
賃金支給と代替休暇で振り替え

 一方、変形労働時間制の代替案として、「教職員の働き方改革推進プロジェクト(代表・明星大学樋口修資教授)」からは、給特法を抜本的に改正するだけでなく、「調整休暇制度」を導入することが提案されている。

 調整休暇制度とはヨーロッパで広く導入されている「労働時間貯蓄制度」を日本版にアレンジした提案で、特に、教職員の働き方改革推進プロジェクトでは「時間外勤務の割増賃金支給」と「超過時間を代替休暇に振り替える」の二本立ての構成を提案する。

 その構成は、まず時間外労働できる業務範囲・内容を明確化する。教員の場合は、現在、「超勤4項目(時間外勤務として認められている業務)」として、(1)校外学習等、生徒の実習に関する業務、(2)修学旅行等、生徒の行事に関する業務、(3)職員会議に関する業務、(4)非常災害等、その他やむを得ないことに関する業務が決まっているが、すでに、これらのほかにも時間外業務が発生しているため見直しを迫られている。

 さらに、時間外労働の上限設定(45時間)をしたうえで、一定の時間外勤務分は賃金として支給し、その対象を超えた場合は代替休暇で振り替えるという。「時間外勤務の割増賃金支給」とは、すべての時間外労働分(前述の「少なくても9000億円」)は確保できないが、「月の時間外労働として平均20時間(給与の10%)と試算する。

 一方、使用者側(任命権者=県教育委員会、服務監督権者=市町村教育委員会、学校で職職員を監督=校長)に時間外勤務抑制のインセンティブを持たせて、労働時間全体の縮減を図ることを意図している」と前出の樋口教授は説明する。また、代替休暇は使用者側の責任で付与しなければならないとしている。

 そもそも、私たち人間の生活は1日単位のリズムで成り立ち、そのなかで睡眠時間や生活時間を確保していく。まず、毎日の時間外労働が長くならないことがとても重要なポイントとなるため、とても理にかなっていると言える。