福原麻希
2018年8月、公立福生(ふっさ)病院(東京都)で女性患者が腎透析を続けるために必要な手術を拒否したことで、透析が中止になり亡くなった件で、前編では全体概要をまとめた。もし、家族が強い意思で「透析をやめたい」と主張したら、どう考えたらいいか。私たちが知っておきたいポイントを3点にまとめる。

2018年8月、公立福生(ふっさ)病院(東京都)で女性患者が腎透析を続けるために必要な手術を拒否したことで、透析が中止になり死に至った。2020年、家族が病院を提訴した民事訴訟は裁判所から和解勧告が出され、10月5日、和解が成立した。今後、病院はどんな点に留意すればいいか。裁判について、2回に分けて詳報する。

9月、全国の地域の拠点となる病院の病室で「患者が無料Wi-Fiを使えるかどうか」民間団体が調査し、都道府県別の導入率ランキングと病院名を公表した。今後、患者が入院する病院を選ぶときの指標の一つになるとみられる。病院の医療情報システムとネットワーク構築は建築構造上も含めて複雑だが、大別して3つのポイントに集約できる。

今国会で、超党派による「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律案」が審議にかけられる。本法案は医療的ケア児の存在と窮状を知った国会議員が関係者を集めて、2015年から少しずつ検討を重ねてきた。「障害児が生まれたら」とためらうことなく出産でき、障害児を産んでも親が働き続けられる。そんな社会実現の礎となる法案の成立に、大きな期待が寄せられている。

神奈川県相模原市の知的障害者施設殺傷事件(津久井やまゆり園事件)後、2019年、神奈川県に「津久井やまゆり園で障害者が不適切な支援を受けている疑いがある」との情報が寄せられた。神奈川県が同園を含む県立障害者施設を調査したところ、別の施設で1日20時間以上、部屋に閉じ込められていたこともわかった。障害者の入所施設で一体、どんなことが起きているのか。

2019年、学校において医療的ケア児が安全に適切に生活できるよう支援体制の方針が決まり、予算も確保された。だが、中心的役割を持つ学校看護師の確保が困難なこともあり、現状はなかなか進まない。その背景には、そもそも学校看護師の仕事が知られていないことや、看護師が現場で抱える課題を解決する仕組みが整備されていないことなどがある。そこで、学校看護師の実際の仕事や、神奈川県内の小学校の先進的な取り組みなどを取材してみた。

今年3月、「人工呼吸器を装着している男児が居住区の小学校へ就学するための手続きとその結果の特別支援学校を指定された通知は違法である」と提訴した裁判は、横浜地方裁判所で原告敗訴の判決が出た。男児と保護者の「地域の小学校生活は特別支援学校より危険か」「地域の小学校での教育より、特別支援学校のほうがふさわしいか」「それは、誰が決めたのか。本人・保護者に教育の選択権はあるのか」という疑問に東京高等裁判所はどう答えるか。控訴審が始まった。

神奈川県相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園(社会福祉法人かながわ共同会)」は、元職員だった植松聖死刑囚が45人を殺傷した事件後、4年を迎えた。津久井やまゆり園での利用者支援の実態を検証する動きをめぐる動きと、仮移転している同園芹が谷園舎での現在を紹介する。

2016年東京都足立区の柳原病院で、当時、非常勤だった男性乳腺外科医が乳房の手術をした後、その女性患者から準強制わいせつ罪で訴えられた事件の控訴審判決(朝山芳史裁判長)は、一審判決を破棄した有罪判決、実刑2年(求刑3年)だった。その理由や背景を解説する。

新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。感染拡大、および、医療崩壊の予防策として、いま「オンライン診療」が注目されている。安倍晋三首相も3月末の経済財政諮問会議で「オンライン診療を活用していくことが重要」と強調した。そこで、オンライン診療の現状と課題をレポートする。

2018年、人工呼吸器装着を理由に特別支援学校への就学を強制された男児とその保護者が地域の小学校への就学を求めて、神奈川県と川崎市の教育委員会を相手取り提訴した。この裁判で原告側は「教育委員会の就学決定が障害者権利条約や障害者基本法に定められたインクルーシブ教育権を侵害したこと」「重度障害児の就学相談をめぐり本人や保護者の意向を尊重しない」など手続きの流れに重大な誤りがあったと主張した。だが、横浜地方裁判所の河村浩裁判長は原告の訴えを退ける判決を言い渡した。男児と保護者が希望した、障害のある者とない者が共に学ぶインクルーシブ教育はどうして否定されたのか。

神奈川県相模原市の知的障害者施設で起きた殺傷事件(津久井やまゆり園事件)は、今日、判決を迎える。植松聖容疑者から「(重度)障害者は不幸を作ることしかできない」と言われた当事者らが「(事件の背景に見えた)差別や虐待をやめてほしい」と記者会見やインターネット放送局の番組で訴えた。

悪質な自由診療や広告による医療・美容の消費者被害が後を絶たない。最近、どんな医療被害が起きているか、その現状を把握するとともに、社会はどのように対応していくべきかを提案する。

2016年、男性乳腺外科医が手術したばかりの女性患者から、準強制わいせつ罪で訴えられ、検察から懲役3年を求刑された事件があった。昨年、東京地裁は乳腺外科医に無罪の判決を言い渡したが、検察は東京高裁に控訴した。2月4日、初公判が開かれた。

「人生会議」とは、いったい何だったのか?実は、医師たちが考案した「人生の最期」を考えるためのカードゲームがあり、これをやりながら家族や親しい人と対話してみるという手もある。実際に試してみた。

「発達障害」と呼ばれるASD(自閉症スペクトラム障害、アスペルガー症候群、その他広汎性発達障害)、ADHD(注意欠陥多動性障害)などの児童には生まれ持った特性があり、日常生活で親が困っている場面が少なくない。そのうちの一つに「美容院や理髪店でのヘアカットが難しい」がある。近年、発達障害の児童を上手にヘアカットしてくれるヘアサロンが増え、検索サイトもできている。

今年(2019年)3月、名古屋で5年以上、娘が実父から性的虐待を受けていた事件を含めて、4件の性暴力被害に関する訴訟で無罪判決が出た。これがきっかけとなり、弁護士であり、国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ理事で事務局長の伊藤和子さんは新著『なぜ、それが無罪なのか!?』を執筆したという。伊藤さんが書籍で社会に訴えたかった「日本の司法の不備と解決策」「性被害を受けたときに知っておきたいこと」を話してもらった。

昨年、女子学生と多浪生への入試差別について文部科学省が緊急調査し、各大学が自主的に対応しているが、公表する大学、公表しない大学に挟まれ、受験生は不安感と怒りをあらわにする。特に女子学生への入試差別の根底には、女性医師が結婚・出産を経た後、現場復帰が難しい“時代錯誤の男性社会”が基盤にある。

毎日新聞で公立福生病院の人工透析における診療上の考え方やその方法について批判する記事が続いている。メディアや世間の批判は、とかく福生病院に集中しているが、日本透析医学会によるアンケート調査結果をみれば、同様の問題は少なからず他の病院でも発生している可能性がある。

2016年、東京都内の病院で乳房の手術を担当した医師(被告人)が、当該女性患者から準強制わいせつ罪で訴えられ、検察から懲役3年と求刑された事件は、今週2月20日、無罪判決となった。裁判所はどのように判断したのか。
