トランプ大統領Photo:Reuters

――筆者のジェームズ・マッキントッシュはWSJ市場担当シニアコラムニスト

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 投資家は不透明感を嫌うものだが、今回は中国に対する追加関税発動という確実性よりも、90日間の凍結という不透明の方がましと踏んだようだ。それも1日だけだったが。株式市場は3日、米中貿易摩擦の「一時休戦」を好感して急伸。だが4日には一転、期待が後退するに連れ、急落した。

 不透明感は今後も世界経済に打撃を与える公算が大きい。投資決定を遅らせている企業が、一時休戦を受けて投資計画を実行に移すとは考えにくい。

 米中で首脳会談の結果に関する発表が異なったことも、ドナルド・トランプ米大統領と中国の習近平国家主席との心が通じたとは確信できない要因となった。トランプ氏が自身を「関税マン」と呼ぶと、投資家はこれまでの楽観は誤りだったと気がついた。

 不透明さは米国の戦略の1つかもしれない。その理由は2つある。第一に、中国の方が輸出依存度が高いため、貿易が変調をきたせば、中国経済への打撃の方が大きい。二番目に、中国への投資は、拡大したサプライチェーン(供給網)を保護してくれる、ルールに基づいた国際貿易制度に賭けるということだ。その制度に疑問が生じれば、部品や完成品に支障が生じる恐れがあるため、投資先としての中国の魅力は薄れる。