そもそも、相手に期待すること自体は、ちっとも悪いことではありません。「仕事が忙しいから、手が空いてる同僚が手伝ってくれたらいいのに」とか「子どもに勉強してほしいなあ」「夫にゴミ出ししてほしい」などと期待することは、全然悪いことはないのです。ところが、「○○するべきだ」という思い込みになると、そうしない相手のことがどうしても許せなくなります。

 どうでもいい相手ではないから、欲求不満が生まれる。
 どうでもいい相手ではないから、過度に期待する。
 どうでもいい相手ではないから、一挙に怒りもヒートアップする。

 これらのことはばらばらではなくて、全部つながっているのですね。

欲求不満やおびえから生まれる「怒り」は自然な感情

 日ごろ、怒りを感じることそのものを否定していると、怒りをおぼえそうになったらすぐに、その気持ちを自分で打ち消してしまったりもします。なかには、その打ち消しが、自分で意識しないうちに機械的におこなわれて、習性のようになっていることもあります。

 あるいは、怒りをおぼえたら「こんなことで怒るなんて、私らしくない」「怒るのはよくないことだった」と、その怒りを自分がこれ以上感じ取らないよう、意識的に打ち消しを試みることもありえます。

 けれども、怒りは、自分自身が欲求不満やおびえなどを感じていることを示してくれる貴重なサインです。怒りを感じたときは否定せず、「あ、いま、自分は怒っている」と、まずは素直に認めてほしいと思います。