世の中には「ブラック企業」や「ブラック職場」に代表されるストレス過剰な職場や職業がある。その中で、いかに苦しみや悩みを乗り越えて、自分にとって最適な選択と生き方をするべきか。それには、ある「3つの感覚」を身につけて、心を強くすることだ。その「3つの感覚」とは何か。(ストレス・マネジメント研究者 舟木彩乃)
ユダヤ人強制収容所を生き抜くために
必要だった「3つの感覚」
世の中には数えきれないほどの職業があり、ストレスの多い仕事もたくさんあります。
いわゆる「ブラック企業」や「ブラック職場」と呼ばれるように、会社ごと組織ごとに固有のストレスを有するケースも多々ありますが、職種によってストレスが過剰にかかりやすい傾向があるのも事実です。
そんなストレス過剰な職場の典型として私が研究テーマとしたのが「国会議員秘書」の職業性ストレスでした。
研究の結果、国会議員秘書は他の職業の2倍以上もストレスが高いことが分かりましたが、同時に「首尾一貫感覚」が高い議員秘書はストレス反応が低いことも分かりました。
いきなり「首尾一貫感覚」と言われても、ほとんどの人にとって初耳だと思いますが、ストレスに立ち向かうときに大きな力になってくれるのが「首尾一貫感覚(SOC)」なのです。
この「感覚」は、別名「ストレス対処力」とも呼ばれ、文字どおり「ストレス」に対処するためのヒントになる考え方です。