その時に、彼らは私に以下の2点を強調した。

(1)営業がプロジェクトのマネージャーであること

(2)営業は、社内のスタッフに“いかに気持ち良く仕事してもらえるか?”を大切にしなければ、仕事がうまくいかないこと

 この教えは、私にとって非常に大きな学びであった。

 そして同時に、いまだに私の仕事のスタイルでもある。「哲学」といってもよい。

営業が言う「とりあえず」は
2つの意味を持つ

 営業が何をどうしたいのかを決められなければ、成功するマーケティングプランを立案するマーケティングのスタッフも、広告やキャッチコピーを制作するクリエイティブのスタッフも、見積金額と適正な利益の確保を検討する財務のスタッフも、契約を担当するスタッフも、何をどうしていいのかが分からず、何も手がけることができない。

 よくあるのが、

・とりあえず、○○みたいな感じなのを作って

・売れそうなカッコいいヤツを作って

 などだ。

 営業が言う「とりあえず」は、2つの意味を持つ。

 1つは、“顧客の真の課題をつかめていないので、いったんヒットしそうなものを持って行ってみて、顧客の反応を見たい”という、自らの能力のなさを意味する場合だ。

 2つ目は、“他のスタッフの作業時間の価値を何も考えていない”ことの証明である。スタッフだってそんなに暇ではないのだが、結果を出せない営業にはそれが分からない。

「顧客に提案したいから、とにかくここのスライドを作ってくれ。俺は作れないし。あなたが担当なんだから」としか言えず、それを繰り返すだけの営業すらいる。