大掃除写真はイメージです Photo:PIXTA

年の瀬が近づいてきた。この時期、1年の貯まった汚れを落とす大掃除を行う人も多いだろう。しかし、私が執事としてお仕えしてきた多くの富裕層は、そうした大掃除をしなかった。ハウスキーパーを雇っているからとか、家が広すぎて時間がかかるからではない。なぜ富裕層の家には「年末の大掃除」が存在しないのか。それには深い理由があった。(日本バトラー&コンシェルジュ代表取締役社長 新井直之)

静寂に包まれた
12月31日の邸宅

 世間では「師走」の名の通り、多くの人々が一年分の汚れを落とそうと慌ただしく掃除用具を動かしている頃でしょう。ニュースをつければ、年末の買い物客でごった返す街の様子や、大掃除の便利グッズ特集が流れています。

 しかし、私がこれまでお仕えしてきた数々の富裕層のお客様の邸宅は、12月31日であっても驚くほど静寂に包まれています。

 彼らは掃除をしないのではありません。「大掃除」というイベントを必要としないのです。

 一般的に「富裕層はハウスキーパーや執事を雇っているから部屋が綺麗だ」と思われがちです。確かに、物理的な作業は私どもや執事やハウスメイドが行いますが、本質はそこではありません。

 彼らが大掃除をしない本当の理由とは何か。

 本日は、私が執事として目の当たりにしてきた「成功者の環境」と、その裏にある科学的な理由、そしてあるお客様が私に語った「大掃除をしない本質的な理由」についてお話しします。