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チャンネル登録者数・114万人を誇る、お笑い芸人のはいじぃ。約10年前、YouTuberという職業がまだ世間に知られていない頃から動画の配信を行っていた彼は、ある日、あまり売れていない芸人たちとともに“Googleの偉い人”のプレゼンを聞くことになる。その時、彼が感じたこととは……?※本稿は、お笑い芸人のはいじぃ『明るく生きているつもり』(KADOKAWA)の一部を抜粋・編集したものです。
初めてYouTubeにアップした
動画の再生数は?
YouTubeに初めて動画をアップしたのが38歳くらいだったと思う。
当時はちょっと揶揄したニュアンスで『ネットの住民』なんて言葉が使われていたくらいだから、インターネットコンテンツを楽しむ人の数が今よりだいぶ少なかったのだろう。
YouTubeよりもニコニコ動画のほうがメジャーで、ニコニコ動画のイベントが毎年大盛況みたいなニュースも「こんな不思議な世界もあるんですね、フフ」みたいな目線で、来場者たちのメガネ&寝癖頭とともにテレビで伝えられていた記憶がある。
そんな時代、もう演者としては旬の時期を完全に過ぎた年齢ではある中で、力を注ぎ込んでいた『ひかり荘』(編集部注:お笑い芸人などが配信を行う、無料で視聴できるインターネットテレビ)のサイト自体がなくなって、途方に暮れていた一方で、自作の動画をYouTubeにアップすることで「自分の環境が劇的に変わっていくかも」という希望は相変わらずあった。
新人の頃に自信のあるネタを番組のオーディションにぶつけていた頃と気持ちは何も変わらない。芸人は売れないで波風が立たないままでいるうちは、生活に何の変化もないから、気持ちが歳を取れないのかもしれない。社会的な立場はどんどん危うくなっていっていることに皆が気づけないくらい鈍感になってしまう怖い職業だ。
初動画の「見て損した気分になるパラパラ漫画」をアップして5分後。視聴回数1回。まあ、まだ公開したばかりだし。







