イーロン・マスク氏が経営するトンネル採掘ベンチャー企業、ザ・ボーリング・カンパニーに、同氏が率いる他の事業の経営資源が転用されたとして投資家が懸念の声を上げていたことが分かった。マスク氏は18日にボーリングの試験トンネルを公開する予定。将来的には高速地下交通システムを建設し、地上の渋滞緩和を実現させようと試みている。全長2マイル(約3.2キロ)のトンネルは同じくマスク氏が率いる宇宙ベンチャー企業のスペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ(スペースX)の本社を入り口とする。事情に詳しい関係者らによれば、トンネルの開発にはスペースXの従業員やスペースXの資金で購入した機器が導入されていた。こうした動きは、著名投資家ピーター・ティール氏率いるベンチャーキャピタル(VC)のファウンダーズ・ファンドなど以前からスペースXを支えてきた一部投資家を警戒させた。スペースXの経営資源やスタッフがボーリングに転用されながら、将来的な利益はすべてマスク氏が手にすることが明らかになったためだと事情に詳しい関係者らは話す。