ある日の午前11時前、配達ドライバーのシュー・フイさん(35)はミルクティー店からその日最初の注文を受け、バイクに飛び乗って配達に向かった。その11分後、中華風パンケーキ店からの注文品を届けた。正午までに、さらに7件の注文をこなした。午後にはハンバーガー店、コーヒーショップ、麺店、中東料理店からの商品を配達し、さらにお茶を届け、午後11時31分にようやく仕事を終えた。走行距離は約97キロ、配達件数は約50件で、およそ15分に1件配達した計算だ。その日の収入は約46ドル(約7200円)だった。シューさんは、中国の労働市場で最大級となったセグメントで活動する脇役の1人だ。かつて工場労働者で知られた国は、今やギグワーカー(単発の仕事を請け負う労働者)の国としての様相を強めており、その数は2億人を超えて増え続けている。
中国ギグワーカー、1件1ドル・14時間労働でも増加の一途
雇用創出が鈍化する中、2億人が宅食アプリなどの非正規雇用に流れている
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