日本の書店に一般的な、本の背表紙を表に向けて並べる「背差し」は一冊もない。すべての本が、表紙を正面に向ける「面陳列」「面展示」である。そのため、一冊一冊の魅力がストレートに伝わってくる。

 そこではネット上で見つけた本を実際に確かめて購入することもできれば(ウェブルーミング)、店頭で気に入った本を自宅に届けてもらうように、その場の端末で手配することもできる(ショールーミング)。読みたい本が店頭になければ、アマゾンストアで検索して注文すればいい。

【必読ポイント!】
◆デジタルシフト
◇アマゾン・エフェクトの本質とはなにか

 アマゾンが引き起こしている変化の本質はなにだろうか。それは、アナログからデジタルへの移行、「デジタルシフト」である。つまり、人々は「時間」「距離」「量」「方向」の制約から解放される。

 ネット上では24時間いつでも、世界中のどこでも買い物ができる。売り手は数量にしばられることなく、いくらでも商品の情報を掲載できる。売り手と買い手は、インタラクティブにコミュニケーションをとれる。

 歴史を振り返れば、人類は制約から解放される世界を自らつくりだしてきた。この観点に立つと、デジタルシフトは必然の流れといえるだろう。

◇クラウドという衝撃

 2000年代半ばより、デジタルシフトに拍車をかけているのが「クラウド」である。クラウドとは、インターネットを経由し、さまざまなITのリソースをオンデマンドで利用できるサービスである。たとえば、コンピューティング、データベース、ストレージ、アプリケーションなどだ。

 昔は水を手に入れるために、各家庭が庭に井戸を掘っていた。これに対して、いまではコンピュータ・ネットワークに蛇口をつければ水が出るようになった。クラウドはこうした状況にたとえられる。しかも圧倒的に安価にサービスを利用できる。