「1秒単位」で消費者の心が離れていく時代。だからこそ、PR動画もプレゼンも文章も営業トークも、「1秒でつかみ、1秒も飽きさせない」ことが、売上に直結する。

『家、ついて行ってイイですか?』『吉木りさに怒られたい』などの仕掛け人で、テレビ東京制作局ディレクターの高橋弘樹氏が、1秒で惹きつけて、1秒も飽きさせず、1秒も「ムダじゃなかった」と思ってもらえるコンテンツの作り方全思考・全技術を明かした新刊『1秒でつかむ「見たことないおもしろさ」で最後まで飽きさせない32の技術』に、発売早々、絶賛コメントが多数寄せられている。

本記事では、「新規顧客開拓」における一番の問題点を解決する思考法を、事例とともに特別公開する(構成:編集部・今野良介)。

「なじみの定食屋」と「もっとも美しい顔」の共通点

キーワードは「バランス」です

『1秒でつかむ』という本の中では、「見たことないおもしろいもの」を作り、それを「大勢の人に見てもらう」ための、ぼくなりの方法を書きました。

実は、ここには大きな矛盾が潜んでいます。これは、テレビ番組にとどまらず、あらゆる業界での「新商品」開発や、新規取引先開拓、新規顧客開拓に絡んでくる、重要な問題です。

そこで、とある文豪吉木りさが、深い示唆を与えてくれます。

ある文豪が、よく利用していた蕎麦屋について、

「私がなじみの蕎麦屋を好きなのは、そこがなじみの店であるからだ」

というようなことを言ったと、本で読んだ記憶があります。大学時代、この言葉を知ったとき、妙に納得がいった気がしたのです。

ぼくも大学に通っていたとき、毎日「キッチンオトボケ」という、いま考えれば極めて普通のとんかつ屋に通う食生活でした。なるほど、自分がオトボケに通うのは、なじみの店であるという理由だけなのか、と。しかし、当時は、その意味にまで踏み込んで考えることはありませんでした。

その深い意味を考えることになったのは、吉木りささんと仕事をしてからでした。ぼくは、気持ち悪いほどの調べぐせがあるので、仕事をお願いする際、吉木りささんのことを徹底的に調べたのですが、吉木りささんは以前、とある番組で「タレントの中でもっとも美しい顔」に選ばれたことがある、ということだったのです。

目や鼻の位置に関して「美人の黄金比」なるものが存在し、『タレント名鑑』という、タレントが列挙されている本の中で一番その黄金比に近かったのが吉木さんだというのです。これを見たとき、ぼくは2つの事柄を思い出しました。

・
入社したときはそんなにかわいいと思っていなかった女性の先輩が、最近かわいいかもと思ってきた件
・
多くの女性の顔を合成して、平均値をとった顔を作ると、とんでもない美人が生まれる件

このとき、すべてがピンときました。

「美人」も、「なじみの店」も、その「魅力」の正体はすべて一緒なのではないか。