例えば、10月30日に『人民日報』に掲載された評論記事は、この40年間、「実事求是、思想解放」を堅持して、毛晩年時代の毛への教条主義を改めて、新しい時代に合った政策・措置を模索したことなどを評価しながらも、特に第18回党大会以降は「改革の認識論と方法論の絶えざる革新を支えにして、一連の重要な改革開放措置を打ち出し、長い間、解決したくてもできなかった難題を解決し、これまでやりたくてもできなかった大事業をやれた」と述べ、習近平政権が成立してからの改革の成果を強調した。

 そのため、「習近平は、鄧小平を超えようとしているのでは」という見方も出た。

 習の行った講話や著作を見る限り、改革開放を否定する立場ではない。さらに中国共産党の理論は、マルクス・レーニン主義、毛沢東思想、鄧小平理論という「3つの代表」重要思想、科学的発展観を継承したものとされていることから、過去の理論を否定することは「中国の特色ある社会主義の道を外れる」ことを意味する。そのため、鄧小平の改革開放を否定することはできない。

 そこで鄧は、「実事求是」こそが毛沢東思想のエッセンスであると主張して、イデオロギー闘争に主眼をおいた文化大革命の路線を否定して、経済建設を基礎にした改革開放路線に転換した。ただ、習もこのような手法をとって鄧路線を否定するとは、現在の段階ではまだ断定はできない。

国家主席の任期撤廃から
保守路線への回帰と見られる

 習は2012年に総書記に就任後、改革開放にゆかりのある広東省を視察して、改革開放を評価する講話も行い、「中国の実践が示しているように、あの時期に鄧小平同志がわが党を導いて改革開放政策を決定したことは賢明で正しかったのであり、鄧小平同志は中国の『特色ある社会主義』の道の開拓者と呼ばれるにふさわしいのである」と鄧を称えた。

 この講話のみで改革派だと結論づけることはできないが、2013年11月に開かれた第18期三中全会で盛りだくさんの改革プログラムを打ち出し、それに沿った改革を断行する姿勢を見せたことから、保守派とはいえない。ただ、習が党内で絶対的権力を持つようになり、今年の全人代で国家主席の任期に関する条項を撤廃していることから、「保守路線への回帰」と見られている。

 また、この5年間で、党内の体質改善につながる改革はかなり進んだが、経済面では改革から後退していると見る向きもある。では、なぜ「習近平は鄧小平を超えようとしている」と見られているのだろうか。