• IPOをあえて選ばない活路も
多くのユニコーンが上場するプレッシャーを感じる一方、非公開市場には豊富な資本があり、企業は公開市場が乱高下する時期をやり過ごせるようになっている。上場は四半期ごとの決算報告、アナリストとの電話会議、規制当局からのより厳しい監視をも意味する。それは自由な企業文化をおとなしくしてしまうことにもなりかねない。
データマイニング企業のパランティアなど、機密性を重視する企業にとって、コストをかけて上場することは特に魅力的ではない。また、ウォール街とつきあいたくない場合もある。ロケット事業のスペースXは非公開市場から5億ドルを調達したばかりだが、これは創業者のイーロン・マスク氏がウォール街との取引に関心がないことの表れと言える。
スペースXはフィデリティやベンチャーキャピタル会社のドレイパー・フィッシャー・ジャーベットソンなどから25億ドルを調達し、民間ロケット事業を一新した。
一方、ユニコーン投資家の基盤は、従来のベンチャーキャピタルをはるかに超えて拡大している。フィデリティやT.ロウ・プライスのようなファンド会社は、数十億ドルをユニコーンや他の新興企業に投入してきた。T.ロウ・プライスは、オンライン眼鏡店のワービー・パーカー、ペット関連サービスのローバー、スラックなどに対する2018年の資金調達ラウンドを含め、2009年以来15億ドルを投資している。T.ロウ・プライスのニュー・ホライズンズ・ファンド(PRNHX)は、2017年に31.5%のリターンを上げた。これには、ソフトウエア開発のアルタシアン、自動車販売のカーグルズ、およびフードデリバリーのグラブハブという非公開企業3社も寄与している。
ベンチャーキャピタルやプライベート投資家にとって、IPOは唯一のエグジットではない。ソフトウエア開発共有サービスのギットハブは
非公開企業のまま買収されることは、ミールキット大手のブルー・エプロン・ホールディングス(APRN)やソーシャルメディア企業スナップ(SNAP)と同じ運命をたどるよりも魅力的かもしれない。どちらも2017年に上場し、その後株価が80%以上下落した。スナップの価値は現在65億ドルと、2016年にグーグルの親会社アルファベット(GOOGL)が提示した300億ドルを大きく下回る。



