日本代表「伝説のループシュート」生んだ「出る杭を伸ばす」指導写真:アフロスポーツ

21年前の1997年9月28日の国立競技場で「伝説のゴール」が生まれた。

エースストライカー三浦知良を擁してW杯初出場を狙った日本は、1997年フランスW杯アジア最終予選という大舞台で韓国と対峙。0対0で迎えた後半21分、ペナルティーアークやや右後方で相手からボールを奪ったMF山口素弘は、ドリブルでペナルティーエリアまで持ち込むと、足元のボールをすくい上げるかのようにループシュートを繰り出したのだ。このシュートが生まれたの背景には、山口素弘の前橋育英高校時代がある。2018年12月30日に開幕する全国高校サッカー選手権大会で2連覇を狙う同校だが、ここに至るには30年以上の歳月をかけ、定年間際にして大輪の花を咲かせた指揮官が存在する。山口素弘も、稀代のDF松田直樹も、この指揮官の下に育った。

「出る杭を伸ばす」前橋育英サッカー部山田監督

 前橋育英は2017年度、山田耕介監督就任36年目にして初の全国制覇を達成。30日に開幕する全国高校サッカー選手権大会では、山田監督指揮のもと2連覇に挑む。山口監督の「出る杭を伸ばす」哲学は今まさに結実の時を迎えている。

 冒頭、前橋育英OBの山口素弘によるループシュートは、日本代表歴代ベストゴールの一つとして今も語り継がれている。