ユニクロが商品戦略を転換か?海外で実感した小売業界の地殻変動
仕事の関係でクリスマス休暇をハワイで過ごしながら感じた、小売業界を取り巻く環境や意識の変化をお伝えしよう。2019年の日本の小売業界にとっても、ヒントになるはずだ(写真はイメージです) Photo:PIXTA

ハワイでひしひしと感じた
小売業界の地殻変動

 私はここ数年、本業のコンサルティング業務では、アメリカの小売業と決済関連の新しいテクノロジーの調査に力を入れています。その関係でここ数年、クリスマス休暇はハワイでさまざまな小売店を巡って過ごすことにしています。

 今年もホノルルに到着して、クリスマスセールで賑わう小売店を巡ってきました。そうしていると、日本とのいろいろな違いに気づかされます。そしてそこから、2019年の日本の小売業が「こう変わるかもしれない」という兆しを感じます。来年の小売業がどう変わっていきそうか、7つのヒントを挙げてみましょう。

 まず最初に、ホノルルのウォルマートの店頭で気づいたことから。ご存じの通り、ウォルマートは全米一の巨大小売店です。何でも安い巨大小売店だけあって、いつもこの時期、レジ前には長蛇の列ができるのですが、今年は少し様子が違います。去年と比較してセルフレジの数が2倍以上に増加しており、多くの顧客がそちらでさっさと支払いを済ませているのです。

 そもそもセルフレジは、もう10年以上前から全米のさまざまな小売店に登場していましたが、これまではなかなか消費者が使ってくれていませんでした。それがここに来て、急にさまざまな小売店で浸透し始め、それに応じてセルフレジの数も急増している様子です。

 実はレジ作業は、小売店でも一番コストがかかる工程の1つなのですが、このような流れが本格化して消費者がセルフレジに慣れていくことで、来年以降、小売店の生産性がまた一段上がる可能性を感じました。

 2番目に、これはホノルルのどこで買い物をしても気づくことですが、ハワイ州で買い物バッグが有料になったことです。これまでは無料で配っていたレジ袋はどのお店でも15セントで、より丈夫なエコバッグは99セントで販売されています。