トランプの戦略転換は
10月のペンス演説が契機だった

 米国が「戦略的に動き始めた」例を2つ挙げた。

 少し前まで、ほとんどすべての国を敵視し、孤立していたトランプ政権で何が起こったのか?転機となったのは、やはり10月の「ペンス演説」だろう。ペンス副大統領は10月4日、シンクタンク・ハドソン研究所で、極めて「反中的」な演説を行った。

 ペンスが語った内容をおさらいしてみよう。

 米国は、1991年のソ連崩壊後、「中国の自由化は避けられない」と想定していた。しかし、自由化は達成されていないままだ。さらにペンスは、中国のGDPが過去17年間で9倍増大したことに触れている。中国が急成長できた主な理由は、米国の対中投資と、中国政府の不正(為替操作、強制的技術移転、知的財産の窃盗など)によるものだった。

 また中国は、同国で活動する外国企業に企業秘密の提供を強要し、米国企業を買収した。さらにペンスは、「中国の安全保障機関が、米国の技術の大規模な窃盗の黒幕だ」と断じた。

 さらに彼は、以下のような中国のダークサイドを列挙した。

 ・中国は、米国を西太平洋から追い出そうとしている
 ・他に類を見ない監視国家を築いている
 ・キリスト教、仏教、イスラム教を厳しく弾圧している
 ・100万人のウイグル人を投獄している
 ・中南米諸国に「台湾との関係を切るように」圧力をかけている

 ペンスは、米国の歴代政権がこれらの事実を無視してきたことが、中国を有利にしてきたと指摘。そして、「そうした日々は終わりだ!」と力強く宣言した。

 この演説の後、明らかに米国政府の動きは変わった。一言でいえば、米国の支配者層が「中国打倒を決意した」ということだろう。