株式の上昇相場は終わった。
ニューヨークダウは、2018年10月3日に2万6828ドルの高値を付けた後、徐々に水準を切り下げ、12月19日からは4日連続で下落し、24日の終値は2万1792ドルと1年3ヵ月振りの安値をつけた。
日経平均株価も、同様に10月2日に高値2万4270円を付けた後、下落基調に転じ、12月25日には1万9155円と2万円を割り込んだ。「信用取引で買っていた個人投資家の投げ売りもでた」(土信田雅之・楽天証券シニアマーケットアナリスト)ことも下げ幅を大きくした。
26日は、日経平均株価は反発、ニューヨークダウも年末商戦の好調が伝えられたこともあり、前日比1086ドル高と史上最大の上げ幅にとなった(27日の日経平均終値は前日比750円56銭高の2万77円62銭)。
しかし、当面、株価が再び上値を追って高値を更新することは望みにくい。それは株価を下落させた要因がしばらく改善する見込みがないからだ。
足元の株価急落の背景にあるのは、まず世界経済の減速だ。
米国では、19年後半には、トランプ減税の効果が薄れてくる。加えて、FRB(米連邦準備制度理事会)は政策金利が景気を刺激も抑制もしない中立金利の下限に達しているとしながら、19年も2回利上げする見通しである。これ以上の金融引き締めは景気減速に拍車をかける公算が大きい。
中国経済も18年7~9月期のGDP(国内総生産)成長率が6.5%と09年1~3月期以来の低水準になった。景気浮揚に向けて、中国の政策当局は金融緩和策を講じているにもかかわらず、上向く気配が見えない。