魚は常に移動している。それを追って漁業全体も移動している。  全長約18メートルの漁船2隻「スタンリーK号」と「オラクル号」に乗り込み、バック・ラウキティス船長と乗組員らは太平洋最北部のベーリング海でオヒョウを追いかける。水揚げすると1ポンド(約450グラム)5ドルの値がつく魚だ。だが海水温が上昇するにつれ、オヒョウは北上を始めたとみられる。その結果、漁船は長距離を移動せざるを得なくなり、操業コストが上昇している。米政府の水産生物学者はそう指摘する。