青森山田は初年度からプリンスリーグ東北に参加し、8年連続優勝という偉業を成し遂げた。そして2011年には各地域のプリンスリーグ上位チームが参入戦を行い、勝ち上がったチームが参加できるU-18プレミアリーグがスタート。鹿島ユースや浦和ユースなどJ1強豪クラブのユースチームが参加するユース年代では最もレベルの高いリーグだ。しかもJリーグと同様、下位に低迷するとプリンスリーグへの降格もある。

 青森山田はこのプレミアリーグに1年目から参入を果たし、現在まで1度も降格していないばかりか、上位争いをしているのだ。また、プリンスリーグ東北にはセカンドチームが参加し、やはり上位争いをしている。青森山田サッカー部は日本代表で活躍する柴崎岳や室屋成をはじめ、50人におよぶJリーガーを輩出している。その指導力や育成力に憧れて全国からプロを目指す選手が集まる。東北のチームが勝ち上がると、厳しい環境に耐えた努力が実を結んだといった見られ方をしがちだが、青森山田の場合は勝って当たり前。高校野球でいえば大阪桐蔭に匹敵する強豪校なのだ。

 青森山田以外のベスト8に進出した高校も日本航空を除いて、プレミアリーグやプリンスリーグに参加して実力を上げたチームだ。流通経済大柏は青森山田と同じプレミアリーグEASTで戦っているし、尚志と秋田商は東北、矢板中央は関東、帝京長岡は北信越、瀬戸内は中国地方のプリンスリーグに参加している。

 サッカーの場合、レベルの地域間格差はなくなったと言っていいだろう。今では全国各地にJリーグクラブがあり、その下部組織のアカデミーではプロを目指す少年たちにレベルの高い指導を行っている。そして実力を試し経験を積む場がプリンスリーグでありプレミアリーグ。強豪校もそこに参加し、切磋琢磨することで実力を伸ばすという構図だ。

 今大会は東日本勢の躍進が目立ったが、関東や東北のレベルが上がったということではないだろう。プリンスリーグとプレミアリーグができたことで日本全体のユース年代がレベルアップし、差のない試合をするようになった。その中から今回は偶然、東日本勢が揃って勝ち上がったということだ。

 12日の準決勝は青森山田―尚志の東北勢対決と流通経済大柏―瀬戸内の対戦となった。所属するリーグで鍛えられた実力を発揮し、レベルの高さを示してくれることを期待したい。

(スポーツライター 相沢光一)