顧客軽視のメッセージが
伝わってもよいのか

 店員総マスクの理由をあれこれ推察してみた。

 仮に、店員の体調が悪く、咳をしてしまうことがあって、来店客に風邪をうつしたり、不快な思いをさせたりしないようにする配慮であれば、むしろ、体調が悪い店員を、ある程度空調は効いているとはいえ、2階以上に比べれば暖房は効いていない、出入り口からの風も入ってくる1階受付に立たせておくことは、労務管理上気になる点だ。

 逆に、店員の健康を守る措置であればどうだろうか。風邪を引いたお客が来て、至近距離で対応すれば、店員が風邪をうつされてしまうかもしれない。しかし、だからといって、会話が成立しづらいうえに、来店客に多分に誤解を与えるような表情をもたらすリスクを負ってまで、受付店員がそろってマスクをして、張り紙までするべきだろうか。

 レジでの作業は、書籍を受け取って、必要ならカバーをかけて、代金を受け取って、レシートを返すだけだ。会話は不要、表情も大して気にならないだろう、という考え方もあるかもしれない。しかし、もしそのように考えているのであれば、来店客対応を放棄していると言われてもしかたあるまい。

 もはや、オンラインストアに顧客が流れるのは当然だ。私も、帰りがけに通ったのでその書店で書籍を購入しようと思ったが、翌日配達まで待てるのであれば、オンラインストアで注文すればよかったという思いがよぎった。

 オンラインストアであれば、コミュニケーションが成り立たないということはない。入力内容は明確に示されるから、確認は簡単だ。少なくとも不快ではない普通の画面で、「ありがとうございました」という表示もされる。何を言っているかわからなかったり、にらまれているように思ったりすることは全くない。