ボーイングとエアバスは両社の複占の脅威となる全ての要素を排除しつつある。ただし例外が1つある。1900億ドル(約20兆5600億円)の航空機市場で競争できるだけの規模をいずれ確保する可能性のある中国のメーカーだ。ボーイングはブラジルの航空機メーカー、エンブラエルの商用機部門の株式80%を42億ドルで取得する方向で協議している。条件については先月合意に至ったが、まだブラジル政府の承認を得る必要がある。同国のジャイル・ボルソナロ新大統領が4日に発したメッセージは、どちらとも言えない内容だった。同氏は合併は好ましいと述べつつも、政府がエンブラエルに対する支配力を失うことに懸念を示した。ボーイングがエンブラエルに関心を持った背景には、エアバスがカナダの航空機メーカー、ボンバルディアから108~133席の旅客機「Cシリーズ(A220に改称)」の製造会社を買収したことがある。ボーイングとエンブラエルの合併が完了すれば、業界最後の小規模メーカーが姿を消すことになる。