セレクトショップは
自社ECサイトとの競合を懸念

 一方でZOZOの主要な出店者であり、客の年齢層がオンワードよりも若いセレクトショップ各社の反応は、少々異なる。ある大手セレクト幹部は「われわれがリアルで出店している商業ビルもセールの機会が多く、値下げがブランド価値の毀損になるとは、必ずしも考えない」と話す。それよりも、「むしろ、セレクト各社が近年強化している自社ECサイトが大きな影響を受けそうだ」と指摘する。

 十数年前、EC運営のノウハウを持たなかったセレクト各社がECに参入するには、手数料を払ってZOZOTOWNなどのアパレルECサイトに出店するしか術がなかった。やがて他のECサイトが淘汰され、次第に強まったZOZO一人勝ちの様相は彼らにとって、EC戦略でZOZOに依存せざるを得ない状況を意味した。自社で独自のECサイトを作ろうにも、物流やサイト運営など“裏側”でZOZOの施設やノウハウに頼るしかなかった。

 そこで一部の大手セレクトショップは最近、物流からサイト運営まで一気通貫でZOZOに依存しない、いわば“完全自社ECサイト”を実現し、リアル店舗とのポイント共通化などで顧客を囲い込む動きを見せている。

 かといって、すぐにZOZOTOWNから撤退するわけではないものの、別のセレクト大手幹部は「ZOZOTOWNは新規顧客の流入ルートの一つとして出店は継続する」と述べ、位置づけが従来から大きく変わっているとの認識を示す。そうした意味で、やはり出店者の“ZOZO離れ”が着実に進んでいると表現するのが妥当である。

 加えて、さらに別の大手セレクト幹部は「ZOZOTOWNでは、格安の無名ブランドの出店が目に見えて増えて来ている」と話す。ユナイテッドアローズを筆頭に、これまでZOZOTOWNの成長やブランドイメージ向上の原動力となってきた大手セレクト各社だが、最近は自社商品を無名ブランドの格安商品と同列に並べられることへの抵抗感が生じている。彼らの心もまた、ZOZOから離れつつあるといえよう。