ワイングラスと紙幣Photo:iStock/gettyimages

『週刊ダイヤモンド』1月12日号の第一特集は「変わります!ニッポンの『酒』」です。日本の酒市場は縮小の一途をたどっています。その背景には、人口減少や消費者の嗜好の多様化などの環境変化があります。さらに、ビール類の酒税統一、ワイン輸入関税撤廃、RTDという新たな主役の登場など、市場環境は激変しています。いま、需給が逼迫している国産の高級ウイスキーや、もともと希少性の高い海外ワインが、投資の対象として最近注目を集めています。(本記事は特集からの抜粋です)

海外富裕層が注目
高騰が止まらない日本産ウイスキー

「山崎50年」と「竹鶴35年」海外の富裕層が「どんなにお金を積んででも欲しがっている」とされる「山崎50年」(右)と「竹鶴35年」

 2018年1月、サントリースピリッツのシングルモルトウイスキー「山崎50年」が香港のオークションにかけられ、3250万円に達した落札額が話題に上った。

 11年に150本限定で発売された当時の価格は100万円。それから7年で32倍超に跳ね上がった高騰ぶりは、日本産ウイスキーへの投資熱をあらためて世界に示した形となった。当のサントリー社員は「飲まれずに投資目的の人の手に渡るのは複雑な思い」と冷ややかだが、メーカーの手を離れたウイスキーはすでに富裕層の熱い視線にさらされている。