「よく分からないから、触らないでおこう」「余計なことはさせないでおこう」と。でも、そもそもその人をマネジメントする中間管理職だって、異質な存在とは限らないじゃないですか。だからその人たちに「異質な存在の活用法を考えてくれ」と言っても、“無理ゲー”だと思うんです。

大室 確かに。

正能 だから私は、「異質な存在は自己責任論」を唱えています。異質な存在としてあり続けたいなら、その人自身が自分の扱い方を提示して、どうすれば能力を発揮できるのか、うまく使ってもらえるのかをきちんと伝えて、組織の中で価値を発揮しないといけない。

大室 正能さんはこれまでそういうふうに立ち振る舞ってきたんだ。

人のためにウルトラCを
使って異質を認めさせる

正能茉優さん
正能茉優(しょうのう・まゆ)/ハピキラFACTORY代表取締役、慶應義塾大学大学院特任助教。1991年生まれ、東京都出身。慶應義塾大学在学中の2012年にハピキラFACTORYを創業。大学卒業後、広告代理店に就職。2016年大手メーカーに転職。経済産業省「兼業・副業を通じた創業・新事業創出に関する研究会(2016年度)」委員も務めた Photo by Yohei Kurihara

正能 できているかは分からないけど、そうしたいなとは思って動いています。会社員をしている中で「自分でも会社をやっています」と言うと、みんな最初は「え?」ってなるんです。

 意識しているのは、自分のためではなく、人のために「ウルトラC」を使うこと。分かりやすいところで言うと、ハピキラで取引のあった会社と所属会社との仕事の機会を設けるとか、社内の誰かのためにハピキラのつながりを紹介するとか、自分以外の誰かのためにウルトラCをうまく発揮すれば、異質さを前向きに認めてもらえる。

 でも、そのウルトラCを自分のために使ってしまうと、「あの人、ズルい」となってしまう。だから、きちんと組織の役に立つ形で、自分の異質さを発揮することを考えれば、「あの異質さは使える」と認めてもらえるわけです。

大室 確かに、「個の時代」と言われても、米国みたいに小さいころから自己主張が当たり前の国では、プロフェッショナルとして突き抜けられるかもしれないけど、日本は、1人ひとりの力はたいしたことなくても、チームになれば大きなことができる、という風潮は根強いんですよね。