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2019年の仮想通貨で注目すべき動きは何か
――「イーサリアム」共同開発者のチャールズ・ホスキンソン氏に聞く

末岡洋子
2019年1月11日
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企業の資金調達に新たな手法がある

――2019年、仮想通貨周りで注目すべき動きは?

 規制は引き続き注目だ。バズワードはSTO(セキュリティ・トークン・オファリング)で、2019年はSTOの年になると予想する。

 企業は現在、流動性を確保するためにIPOを行うが、投資銀行とやりとりするためにはかなりの規模に達している必要がある。STOならば500万ドルの株式など少額でも流動性を得ることができる。ベンチャーキャピタルの代替となるだろう。例えばエチオピアは人口1億人、経済は年10%で成長しているが、安定した市場がない。企業は流動性を得るには国を出るしかないが、セキュリティトークンを使えるようになれば、国を出る必要はない。多くの企業がどうやってセキュリティトークンの仕組みを利用するかを模索している。

 ICO(イニシャル・コイン・オファリング)には規制がないが、STOは規制の下にある取引所で取引できるので、消費者も保護できるなどメリットが多い。

 ブロックチェーンでは拡張性の強化が継続して進むだろう。Ethereumの「CryptoKitties」(ブロックチェーン上で仮想猫を売買するゲーム)の場合は中規模のWebサイトと同じ程度の拡張性しかない。2019年中頃には数百万人ユーザーに耐えうるプロトコルの実装が進み、これまでとは全く異なる世界になる。新しいアプリケーションが生まれるだろう。我々の場合は「Ouroboros」だが、IBM、マサチューセッツ工科大(MIT)などでも独自プロトコルの開発が進んでいる。

(取材・文/末岡洋子)

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末岡洋子

すえおか・ようこ/フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている。

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