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 野心的な経営幹部の中には、何でも知っているかのように振る舞う人がよくいるものだ。しかし、「全てお見通しだ」という態度をとるリーダーの中にも、後から振り返って、キャリアを積む方法についてどれだけ知識が不足していたか、その時は気付いていなかったと告白する者がいる。

 ほとんど全ての人が、こうした類いの上司や同僚を見たことがあるだろう。彼らの典型的な行動は、他者を決定にかかわらせず、協力の機会を排除し、会議を支配し、批判に耳を貸さないというものだ。リーダーシップのコーチング担当者や職場環境の研究者によれば、「何でも知っている」人々がこのように振る舞うのは、自信を持つためであり、弱みを見せないためでもある。

 カリフォルニア州サンノゼのクラウドベースのコミュニケーションプロバイダーである8x8社の最高経営責任者(CEO)を務めるビック・バーマ氏は、以前は弱さを見せないために全ての答えを知っているふりをしていたと振り返る。20代後半で上級管理職に昇進した彼は、当時は自分を「決して間違えない早熟の天才」だと感じていたと語る。「全ての決断がいい結果を生んだので、自分は何でも知っていると本当に信じていた」という。

成功しない人の最大の欠点

 過去の世代の「何でも知っている」ビジネスリーダーたちは、しばしば成果を上げた。しかし、リーダーシップ養成会社RHRインターナショナルの役員でCEO訓練の共同責任者を務めるポール・ウィナム氏は、「効率的な経営を主導するための知識が複雑化した現在、こうした『何でも知っている』型の手法は通用しなくなった」と語る。