戦略兵器削減の主軸となる条約の順守を目指す米国に対し、ロシアが批判を強めている。ロシアは米議会に異例の文書を送り、米政府が条約に違反していると非難している。争点となっているのは、核弾頭を搭載可能な長距離ミサイルの数を制限するため、新戦略兵器削減条約(新START)の下で米国が設定した手順だ。新STARTは2011年以来、米ロの軍拡競争を抑制してきたが、条約延長の可否を判断する時期が近づいている。米ロの専門家はここ数年、問題の手順を巡り非公開の討論を続けてきた。だが12月下旬、ロシアのセルゲイ・リャブコフ外務次官が態度を硬化させ、米国の慣行は条約違反だと指摘した。発言を受け、専門家の議論は政治的な対立へと発展。米ロの緊張が一段と高まった。
ロシア、米が核軍縮条約に違反と非難 上院に異例の文書送付
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