「オンラインサロン」というコミュニティビジネスをご存じだろうか。有名人・著名人、何か1つの分野に精通している人などが、インターネット上で開設しているコミュニティだ。多くの場合は月額会員制。参加者は、サロン主催者からの学びや交流、人脈形成などを目的に入会する。しかし、インターネットでつながる閉鎖的な空間であるため、明るみにならない問題もあるようだ。そんなトラブルからオンラインサロンを退会した方に、話をうかがった。※登場人物の名前はすべて仮名(取材・文/フリーライター むらたえりか)
増え続けるオンラインサロン
水面下ではトラブルも
2012年に「Synapse(シナプス)」がオンラインサロンプラットフォームを開設したことで、日本でもオンラインサロンが盛んに開かれるようになった。その後、同サービス運営をDMMが子会社化。「Synapse」や「DMM オンラインサロン」などのプラットフォームを利用して、オンラインサロンを始める著名人が増えていった。また、「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」などのクラウドファンディングプラットフォームを利用して参加者を集め、非公開のFacebookページで活動を展開するスタイルなどもある。
堀江貴文さん主宰の「イノベーション大学校」や、西野亮廣さんの「エンタメ研究所」は人気のオンラインサロンとして有名だ。また、最近ではイケダハヤトさん、正田圭さん、はあちゅうさんが合同で主宰している「『脱社畜』サロン」なども話題となっている。
サロンの活動の中では、著名人と実際に会うことができたり、オンライン上でビジネスや人生に関する相談を受けてもらえたりすることも。参加者が8000人を超える西野亮廣さんのサロンでは「オフ会」で西野さんと一緒にバーベキューなどのイベントに参加でき、SNSで楽しそうな参加者の様子が掲載された。
こうした話を聞くと、オンラインサロンは同じ目的や趣味嗜好が近い人が集まるため、和気あいあいとしていたりお互いに高め合えたりする場所で、メリットばかりのように感じられる。しかし、その規模の大小にかかわらず、水面下ではトラブルも起こっているようだ。