中国メーカー
海外メーカーの動きは?

 規制への対応は、中国メーカーおよび海外メーカーの両方が進めている。中国の国営大手、北京汽車集団はNEV専用会社の北汽新能源(新能源とは新エネルギーの意味)を立ち上げたし、民族系の吉利汽車はボルボのチューニングブランド、ポールスターを電動車専用ブランドに衣替えする計画を発表。中国勢は“電動車で自動車強国になる”という国家戦略に同調し、積極的にNEVの研究開発と生産のための投資を行っている。

 海外勢の場合、トヨタは当面、合弁相手の広州汽車を中国NEV事業の主体にする。VWは中国用NEVや欧州で販売するBEVをI.D.という別ブランドで用意する。ダイムラーのBEVはEQのブランド名を使い、メルセデス・ベンツは使わないようだ。BMWは既存のiをBEVブランドとして育てる。ドイツ3社はNEVに本命ブランドは使わない。本気ならばVWはVW、ダイムラーはメルセデス・ブランドで売り込むはずだ。

 中国政府が“エンジンでは他国に勝てないから自動車ビジネスのルールそのものを変える”ことを目標に電動化を進める以上、海外勢も年間3000万台の巨大市場を見て見ぬふりはできない。ただし、エンジン車のすべてが早急にBEVに切り替わる時代が来ているとは、市場調査会社も自動車メーカーも思ってはいない。当面、中国NEV規制に全力投球するつもりはないようだ。

 18年1~11月の中国自動車市場は前年同期比マイナス1.6%。乗用車は8月は前年同月比4.6%減、9月は同12%減、10月は同13%減だ。このうち1~11月のNEV販売台数は、BEVが81万5000台、PHEVが22万3000台、合計100万台を超え、順調だ。ただし、NEVの購入者は自動車関連企業、自治体、富裕層などであり、一般消費者はあまり多くないようだ。中国政府は20年まででNEV補助金を打ちきる予定で、以降は「量産が進んで製造コストが下がり、価格競争力が出てくる」と考えている。だが、そうなる保証はどこにもない。

(報告/牧野茂雄、まとめ/CAR and DRIVER編集部)