本来なら、こうした事件が起きた時には、現場検証を通じて事実を確認し、非のある側が再発防止を約束して謝罪すれば済む性格のものだ。

 だがこれまでの推移を見る限り、文政権は日本と真摯に向き合おうとしていない。

 事件発生後、韓国側の態度は3段階を経ながら変化したが、それは、これまで日韓の間に発生した問題に文政権が対処してきたやり方と共通しているようにみえる。

 まず、事実関係を最初は無視することだ。

 昨年12月21日、岩屋毅防衛相が記者会見で韓国海軍の駆逐艦「グァンゲト・デワン(DDH-971)」が日本の海上自衛隊の哨戒機に火器管制レーダー(射撃管制用レーダー)を照射したと発表した時、日本の多くの国民は、海上で単純な技術的なミスが発生したのだろうというぐらいの認識だったように思う。

 ところが、韓国側が「レーダー照射の事実はない」(24日)と主張し始めてから、事態は新しい段階に突入した。

 当初、韓国側は「火器管制用レーダーを作動させたことは事実だが、日本の哨戒機を狙う意図は全くなかった」と説明していたが、事実関係を無視して開き直るかのような態度は日本の世論を刺激するのに十分なものだ。

 そうして次に、日本に責任を転嫁しようとする。

 1月に入り、韓国国防部は、レーダー照射があったのかなかったのかという根本的な問題、すなわち事実関係はさておき、日本の哨戒機の「低空飛行」を問題にし、謝罪を求めてきた。

「わが海軍が人道主義的な救援活動を正当に行っているところに日本の哨戒機が駆逐艦に対し威嚇的な低空飛行を行った」とし、責任は日本側にあると主張した。

 しかも反論動画を作り、国際社会に日本が悪いという印象を広めるため8ヵ国語で映像を公開した。

 3番目にしたのは、国内の反日感情に訴えることだった。

 事実を無視し、責任を転嫁しようとしてもうまくいかない場合は感情に訴えかける。これは韓国がいつも打って出る手段だ。

 日本側が事実関係を明確にし、再発防止の約束を取り付け、信頼関係を築き直そうとしても、感情に訴える段階になってしまえば、もはや韓国を説得するのは無理だ。