ここ数年、新築マンションの価格が高騰し、供給量も減っているなどマンション市況は冷え込んでいる。だが、その中でも一部に旺盛な需要があるという。それが、独身女子の存在だ。スタイルアクトの調査、分析を基にひも解いてみよう。(「週刊ダイヤモンド」委嘱記者 大根田康介)
生涯単身率が約5割の中
独身の約3割が自宅を購入
持ち家比率が8割以上と高い日本。初めて住宅を購入する一次取得者層といえば、結婚した後の夫婦というのが定番だった。だが、最近、その状況に異変が起きているという。
ある30代女性の不動産関係者は、「同じ年代の独身男子だけでなく、独身女子でも自宅マンションを買う人が増えてきた。ある知人は、結婚も含めた将来が不安で、年を取ったら賃貸に住めなくなるからとこぼしていた」と話す。
不動産コンサルティング会社のスタイルアクトが、2010年と15年の国勢調査のデータを分析し、東京都区部の単身世帯数と掛け合わせて算出したところ、独身の持ち家取得者(20~49歳)は年間8580人に上る。
17年度の都区部での新築マンション供給数は1万6393戸。そこに中古の成約件数1万5691戸を足し合わせると3万2084戸であることから、「自宅マンション購入者の約27%が独身者だと考えられる」(同社)という。
また、持ち家を購入する年齢層を見ると、男女ともに40~44歳が2366人で、そのうち女性が1291人を占め、全体でみても最多だという。