残業の問題は「私の残業論」という「個人の経験談」だけで解決しない(写真はイメージです) Photo:PIXTA

「残業武勇伝」とは残業に達成感と報酬と
成長がついてまわっていた時代の昔語り

 本を開いたとき、「ウザすぎる!残業武勇伝」という見出しが目に入った。残業武勇伝とは、「終電まで残業した」「連続で何日も出勤した」などと自慢するアレである。残業に達成感と報酬と成長がついてまわっていた時代の、昔語りである。本書『残業学 明日からどう働くか、どう働いてもらうのか?』では、冒頭のコラムで当時(昭和)の残業と平成の残業の違いを考察していて、いきなり面白い。

 大量生産大量消費の時代には、頑張れば頑張るほど「報酬」はあがった。終身雇用の社内では、ドメスティックな知識や経験の蓄積が「成長」とみなされた。しかし今は、「成長」の定義そのものが変わってきている。変化に対応する力をつけることが「成長」なのだ。そのため驚いたことに、残業はむしろ成長阻害要因になっているという。