映画ではガリィが「アリータ」に
続編『銃夢火星戦記』が連載中

 このような未来のゲームやレースはハリウッド映画にたくさん出てくるが、キャメロンもこのモーターボールを物語の主要部分に使うと言われている。この種のゲームを見ると、1960年代に流行したローラーゲームを思い出してしまう。ローラーゲームは21世紀に北米で復活しているそうだから、アメリカ人が好む様式なのだろう。

アリータ
© 2018 Twentieth Century Fox Film Corporation

 ガリィは物語の後半、VRのなかで「アリタ」と呼ばれている。『銃夢』は十数ヵ国で翻訳出版されているそうだが、英語版漫画のタイトルは『Battle Angel Alita』という。

 キャメロンの映画のタイトルも「GUNNM」や「ガリィ」ではなく、「Alita:Battle Angel」である。映画タイトルのカナ表記では「アリータ」と音引きされている。

 このサイボーグ少女は小柄、黒髪、華奢で、めっぽう強い。失われた記憶を探しに自分の脳を頼りに生きている。血と肉と機械と電気と宇宙と時間が混在し、読者は頭がくらくらするだろうが、非常に魅力的な長編作品である。映画の主人公は華奢なローサ・サラザールがパフォーマンス・キャプチャーで演じているが、ガリィ(アリータ)とよく似ていて驚く。

 漫画『銃夢-GUNNM』の続編は『銃夢 Last order』として始めは集英社、のちに講談社から出版され、現在は『銃夢 Last Order(New Edition)』として講談社から全12巻が発売されている(2014年)。「Last Order」でガリィは、宇宙へ飛び出していく。

 さらにその続編『銃夢火星戦記』が2014年より「イブニング」(講談社)で連載中だ。コミックスも既刊6巻が発売中である。この最新シリーズは『銃夢-GUNNM』以前の物語を含んでいる。

 キャメロンによる映画化の話は10年以上前から進んでいたそうだが、「アバター」(2009年)とその続編「アバター2」(2020年公開予定)の製作のため、「アリータ」の完成は遅れに遅れていた。2018年夏の公開と予告されていたが、結局、2019年2月に延期されたのである。

 原作を読み返しつつ、映画の公開を待つことにしよう。

(ダイヤモンド社論説委員 坪井賢一)