米DCコミックス原作のバットマンやワンダーウーマン、フラッシュたちが一堂に会すヒーロー映画『ジャスティス・リーグ』(11月23日公開)。一足早く封切りされた世界62カ国で興行収入1位を記録した大ヒット作品だ。この度、来日した製作プロデューサーのチャールズ・ローブン氏と、映画『銀魂』や『鋼の錬金術師』など日本のマンガ原作作品の実写版映画を手掛けているワーナー ブラザース ジャパンの高橋雅美社長とが対談。マンガ原作の実写映画が大ヒットしている理由とその可能性について語ってもらった。(構成/週刊ダイヤモンド編集部 小島健志)
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ヒーロー作品には10世代の
観客が組み込まれている
──2017年の米国映画興行収入ランキングを見ると、2位の『ワンダーウーマン』や4位の『スパイダーマン:ホームカミング』などトップ10位中5作品がマンガ原作作品です。今回公開される『ジャスティス・リーグ』もトップ10入りは確実ですが、何が起こっているのでしょうか。
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チャールズ・ローブン マンガ原作の映画が成功する最大の理由は、何世代にもわたる幅広い観客層がすでに存在しているからではないでしょうか。
DCコミックスのキャラクターでいえば、例えばスーパーマンが約80年前、ワンダーウーマンが約75年前、バットマンも約80年前に誕生しました。1世代を8年で計算すると、10世代も続いていることになります。
しかも、多くのキャラクターがすでに映画化されています。スーパーマンは1970年代にシリーズ作品が作られ、バットマンも80年代に映画化され、おおむね成功を収めています。
つまり、これらの作品を映画化するときには、10世代分の観客がすでに「組み込まれている」というメリットがあるわけです。
こうしたブランドを持つハリウッドのスタジオは、映画化だけでなく、さまざまなやり方で「リブート(原作を元に新たな作品を制作)」しようとしています。すると、さらに新たな観客がついてくるのです。