上海麦海食品は、日本で人気の餅クリーム菓子を扱う「摩提工房」を中心に、全7ブランド、460店を展開する、“日系スイーツ”の最大手だ。店舗拡大にはフランチャイズ(FC)展開を活用している。上海などの沿岸部の都市部はもちろん、今では、北は黒竜江省から南は深圳、西は新疆ウイグルまで店舗網を広げることに成功した。蘇悦・総経理に、FC展開のノウハウや日系スイーツを中国で売る方法などを聞いた。
日本の和菓子を売るためには
いくつかの「修正」が必要になる
――日本で人気の出たスイーツは、中国でも同じように売れるものなのでしょうか?
日本の和菓子の「甘い」、「餅米で作られている」などの特徴は、中華菓子とも似ているため、中国人に受け入れられやすい商品であることは事実です。ただ日本で売っている和菓子をそのまま中国に持ってきても売れないので、「修正」が必要となります
――具体的にはどのような「修正」が必要なのですか?
例えば、色をたくさん使い過ぎていると中国では売れません。本当はそうではなくても「合成着色料を使っていて身体に悪い」と思われてしまうからです。
また「伝統的過ぎる」のもメインターゲットである若い中国人にはアピールできません。中国では、伝統を守り続けているというコンセプトよりも、上海で人気スポットとなっている新天地、田子坊などのように、伝統にモダンを取り入れる方が人気が出るのです。
そして、最も修正が必要なのは「価格」です。日本で売っている価格のままで、和菓子を売ろうとしても、値段が高すぎて中国人には買ってもらえません。例えば弊社で展開している餅スイーツの単価は6~7元(75~90円)です。これ以上値段が高くなると、中国で20~30店舗の展開はできても、200~300店舗は展開できません。