お手本としてふさわしい人にアドバイスを求める

 もうひとつ注意したいことがあります。

 それはアドバイスを求める人について。いつも大きなバッグを持ち歩いているのに必要なものを出すのに時間がかかるような人、デスクの上がいつもモノであふれて作業スペースがとれていない人。

 このような人にアドバイスを求めると、「あったほうがいい」「やったほうがいい」「知っておいたほうがいい」「できたほうがいい」ということを、さも必要なことであるかのように教わることになりがちです。

 もちろん悪気は無く、よかれと思ってアドバイスしてくれるのですが、それを全て受け入れてしまうと時間・お金・エネルギーを無駄にする可能性が高くなります。なぜなら、ものの整理が出来ていない人は重要なことと重要ではないことが切り分けられていなかったり、考えを整理することが苦手だったりするので、無駄が多くなるのです。

 これから自分が実現したいことをすでに実現している人、お手本としてふさわしい人にアドバイスを求めましょう。

 この例の場合、ランニング歴が長くてもビール腹の先輩ではお手本としてふさわしくありません。ダイエットのためにジョギングをしようと考えているわけですから、実際に走ることで引き締まった身体になった人にアドバイスを求めてください。

 間違った人にアドバイスを求めると、間違ったアドバイスを受けることになり、無駄に遠回りさせられます。

 こんなことを書くと「いやいや、無駄も必要だ。無駄がなければ息苦しい」という反論がでてきますが、無駄を削ぎ落とすからこそ余白ができ、「ゆとり」が生まれるのです。

 時間・お金・エネルギーを浪費することが減れば、時間にゆとりが生まれ、お金にも余裕ができ、心も穏やかになります。

  つづく

コボリジュンコ
「逆算手帳」考案者、GYAKUSAN株式会社CEO
大学卒業後、システムエンジニアとして8年勤務。その後、フリーランスを経て2004年にウェブサイト制作会社を設立。
会社設立前後の多忙すぎる日々に耐えきれず、わらにもすがる思いで手帳を使い始めたところ、その効果を実感し衝撃を受ける。
手帳でスケジュールやタスク管理をする一方、ワークスタイルやライフスタイルを見直して、理想の生き方・働き方を模索するようになった。著書『1年後の毎日が変わる!あなたの夢を叶える「100年日記」』の出版記念セミナーで、多くの人が5年後の自分をイメージできないこと、逆算で考えられないことに愕然とし、逆算思考を体系化できないかと考えはじめる。
試行錯誤の結果たどり着いたのが「逆算手帳」で、2016年に商品化。Amazonで販売したところ、クチコミでたちまち完売。
おもな著書に『願いをかなえる!逆算手帳術』(監修・宝島社 2018年)、『1年後の毎日が変わる!あなたの夢を叶える「100年日記」』(大和出版 2015年)がある。