マシュー・ウィテカー司法長官代理
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 トランプ米政権が28日発表した中国通信華為技術(ファーウェイ)訴追は、企業に重要なメッセージを提供する。「銀行にはうそをつくな」ということだ。

 起訴状によると、ファーウェイ、および孟晩舟・最高財務責任者(CFO)や他の従業員らが、イランとの取引関係について、長期にわたり銀行や米政府をだましていた疑いが持たれている。

 あるファーウェイの取引銀行は、イラン制裁法違反リスクを恐れ、2017年にファーウェイとの関係を絶っていたが、ファーウェイは他の銀行の口座を維持するため、その銀行との取引停止に関してうそをついていた、と米検察当局は指摘している。

 マシュー・ウィテカー司法長官代理は起訴発表の会見で「制裁関連の取引について銀行の顧客がうそをつけば、その銀行は制裁法に違反するリスクにさらされる。とりわけ、こうした悪者に対して米金融システムへのアクセスの提供を続けている場合はなおさらだ」と述べた。

 元国務省当局者、ピーター・ハレル氏は、イランへの制裁法執行が徹底されている状況下で、世界の銀行はファーウェイと取引することに警戒を強めていると話す。

 ただ、銀行へのアクセスを完全に遮断するにはファーウェイは大きすぎるとし、慎重姿勢を強める外資系銀行に代わり、中国の銀行がサービスを提供するとの見方を示した。ただ、米制裁法に抵触しないよう、銀行側はファーウェイに対し、より多くの質問を行う可能性が高いとした。

 また孟氏に対する起訴により、米司法省が最近の捜査において、個人的な責任を問う姿勢を強めていることも鮮明となった。

 米検察は、孟氏が2013年8月、ファーウェイとイラン子会社とするスカイコムとの関係についてある大手取引銀行に対して虚偽の説明を行い、その後も重ねてうそをついたと主張している。

 孟氏の逮捕・起訴は、不正関与の疑いが持たれている企業幹部が直面するリスクの大きさを浮き彫りにする。こう指摘するのは、法律事務所ミラー・アンド・シュバリエの弁護士で、制裁・ホワイトカラーの弁護を専門とするブライアン・フレミング氏だ。

 中国通信機器大手、中興通訊(ZTE)などと含む他の企業と比べて、ファーウェイのケースは、これまでとはかなり異なるという。ZTEは、会社そのものは制裁法に違反したとして制裁を受けたが、社員個人は罪を問われなかった。

 フレミング氏は、制裁法に絡む問題で「これは違反に関与した幹部が実刑の可能性も含め、極めて深刻な事態に直面し得ることを示す最も直接的、かつ強力な事例だ」と述べる。

(The Wall Street Journal/Samuel Rubenfeld and Mengqi Sun)