参加者を満足させ続けられるか、今後は淘汰進む

 オンラインサロンというモヤモヤしたものの正体は、つまるところ“単なる”コミュニティサービスでしかない。そのうえで、怪しさを拭うことのできない『オンラインサロン』という名称を使うかどうかは非常に悩んだ。しかし、『オンラインサロン』という言葉が曖昧なニュアンスを帯びることで、何事でも試行錯誤できる自由な空間になると考え、あえて採用した。もし、『塾』や『大学』などとしてしまうと、学ばなければならないという枠にはまるだけではなく、「自分が参加してもいいのだろうか」など、余計なプレッシャーがかかってしまう。

 人間の幸福度も同じだと思うが、大きな圧力や急激な変化は心に負荷がかかる。プロジェクトへの参加を前提とするサロンもあるが、地方公務員オンラインサロンは、あえて「ゆるく楽しくつながる」空間を目指している。

 いつも来る必要はない、誰とも交流せずに動画だけ見てもいい。でも、何かを話したくなった時には誰かとつながることもできる。ゆるく穏やかな寛容性を内包した場を作ることが、結果的にサロンの寿命を延ばすことにつながると考えている。そういう意味では1500円(税込)という値付けは、初期に一定規模のコミュニティを作るうえでは正しかったように思う。

 筆者が運営する「地方公務員オンラインサロン」を例にとって、無名人のオンラインサロンの設立プロセスを紹介した。 今後は、会員数を伸ばすサロンと、減らすサロンの二極化が進むはずだ。参加者を軽視するサロンは衰退し、参加者のためにアクションを続けるサロンが伸びるのは間違いない。筆者のわずかながらの経験や構想が、乱立するオンラインサロンの質や価値を高める一助となり、運営者と参加者両者のメリットにつながればと願っている。