(日本能率協会マネジメントセンター/2004年)
転職する日は、自分にとって華々しい人生におけるキャリアの転機だが、会社から見れば日常の一日にすぎない。「あなたの力でこの会社を変えてほしい」は、勧誘用のセールストークである。新しい同僚から見れば、見知らぬライバルとして警戒される。この構造的な認識のギャップにより、転職者は初日から戸惑う。
ほとんどの転職者が企業文化の違いに悩み、転職3ヵ月目には「前の会社の方が良かった」と嘆く。新しい企業文化に適応するためには想像以上のエネルギーが必要なのだ。転職を何度も経験した著者が教えてくれる、これらの現象と対応策は実践的であり、実用的である。
転職のノウハウ本を超えて、企業文化の意味と実際を理解できる名著でもある。
(百年コンサルティング代表 鈴木貴博)