ソニー
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 ソニーは四半期で再び過去最高益を記録したが、水面下には弱さも見え隠れする。

 同社が1日発表した昨年10-12月期決算は、営業利益が7%増の3770億円となった。このうち約3分の1は、昨年11月に23億ドル(約2500億円)で取得したEMIミュージックパブリッシングの株式60%に絡む一時的な評価益だ。これを除くと、実際には営業利益は26%減だった。

 最大の下押し要因となったのが、売上高全体の約3分の1を占めるゲーム部門だ。ゲーム部門は10%の増収となったにもかかわらず、営業利益は14%減った。ソニーは、年末商戦に値引き販売した家庭用ゲーム機「プレイステーション4(PS4)」の伸び悩みが減益要因だと説明した。2013年の発売以来、PS4の累積販売台数は9000万台を突破している。これは素晴らしい数字だが、PS4も年齢が隠せなくなってきた。ソニーは消費者の心を再びつかむため、近く新型機の導入が必要になるだろう。

 ただ、PSのユーザー層が「ドル箱」に育っているのは朗報だ。デジタルゲームのダウンロードや月次の有料サービス契約などを含む同社の「ネットワークセグメント」部門の売上高は前年比44%伸びた。ユーザーは引き続き新作ゲームを購入しており、同部門の売上高は今後も、PSのゲーム機以上に底堅い可能性がある。

 ソニーはゲーム以外でも、困難に直面している。モバイル事業はなお採算が取れていないほか、画像センサー部門も、スマートフォン業界の不振のあおりで減益となった。

 ソニーの予想株価収益率(PER)は11倍にすぎず、昨年9月につけたピークから21%下がり、過去最低の水準に迫っている。株価の押し上げには、ソニーが「成長の方程式」を心得ていることを示す必要があるだろう。

(The Wall Street Journal/Jacky Wong)