「世界に術式を広め、失明の危機にある人を1人でも多く救うことが僕の夢。申請することで器具が高価になったら、発展途上国の医師や病院が使いにくくなってしまうじゃないですか」

 患者が殺到しているため、手術は通常3ヵ月から半年待ちだ。患者を紹介してくれる開業医は1500軒近くにのぼるが、残念なことに、バッシングも存在する。

「フェイコ・プレチョップ法を開発した当初は、日本国内の学会でも、研究発表や公開手術など、普及活動を懸命に行いました。ところが、逆に厳しい批判を受けたのです。『手術時間が短いと、簡単な手術だと判断されて、保険点数が低くなり、収入が減るじゃないか』と。術式ではなく、まったく違うところで反応してくる。日本の学会には、失望しています」

 実際、筆者も、友人に先生を紹介したところ、手術をドタキャンされたことがある。「眼科の主治医に、赤星先生の手術を受けると伝えたら『あんなやつの手術を受けたら、失明するぞっ』て、すごいけんまくで怒られたの」と聞いた。

 その主治医は、何を根拠に、そんなひどいことを言ったのか、意味が分からない。赤星先生の手術の質の高さは、日本の眼科学会が認めなくとも、世界中が認めている。

 2018年に外国人叙勲で桐花大綬章を受章したマレーシアのマハティール首相も、その1人。心臓病等重篤な持病を患っていたため、世界中の医師から執刀を断られた手術を、唯一引き受け、成功させたのが赤星先生だった。

 今やフェイコ・プレチョップ法は、世界67ヵ国で採用されるまでに普及しており、米国白内障屈折矯正手術協会をはじめ、欧米、アジアの各機関で、さまざまな賞を受けた。眼科領域では、世界で最も権威があるアメリカンアカデミーの国際学会において公開手術を行った、最初の日本人にもなった。