社員の「機械的な選別」では組織が衰弱、新時代の人材戦略とはデロイトのHRテクノロジーの第一人者であるジョシュ・バーシン氏と、様々な人材活用プラットフォームを展開するビズリーチの南壮一郎社長が、人材活用の未来を語り合う特別対談。後編は「個人のキャリア」について持論を交わす

デロイトのHRテクノロジー(HRテック)の第一人者であるジョシュ・バーシン氏と、即戦力人材と企業をつなぐ転職サイト「ビズリーチ」や、SaaS型の人材活用プラットフォームド「HRMOS(ハーモス)」などを展開するHRテックカンパニー、ビズリーチの南壮一郎社長が、Future of Work(未来の働き方と経営のあり方)について語り合う特別対談。後編のテーマは「個人のキャリア」についてです。

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会社と従業員の関係が変わる
日本企業の「良さ」は維持できるか

南壮一郎(以下、南) さて、前編では、HRテックが世界的に注目されている時代背景についてお伺いしました。後編では、まず「企業と従業員の関係」について話したいと思います。

 日本は終身雇用や新卒の一括採用が一般的でしたが、最近では日系大手企業が中途採用に力を入れているケースも増えています。ヒトの寿命が延び、時代の速度が増すことによって、必然的に雇用の流動化が進み、個人にとっても企業にとっても転職は当たり前のものになっていきます。そのように転職の機会が増えるほど、「企業と従業員の関係が希薄になっていき、日本企業のよさがなくなっていく」という指摘をする方がいますが、どう思いますか。