世の中には、生涯で本を5冊も読まない人が大勢います。
「購入された書籍全体の95%が読了されていない」のです。
でも、途中まで読もうとしただけでも、まだマシです。
「購入された書籍全体の70%は、一度も開かれることがない」のですから。
「最初から最後まで頑張って読む」「途中であきらめない」
こんな漠然とした考え方は、今すぐ捨ててしまって結構です。
これから紹介する1冊読み切る読書術さえ身につければ!

本を買ったらすぐに10分でさばいておこう

明治大学文学部教授・齋藤孝氏齋藤 孝(さいとう・たかし)
1960年静岡県生まれ。東京大学法学部卒業。同大学大学院教育学研究科博士課程を経て、明治大学文学部教授。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。ベストセラー著作家、文化人として多くのメディアに登場。著書に『声に出して読みたい日本語』(草思社文庫、毎日出版文化賞特別賞受賞)、『身体感覚を取り戻す』(NHKブックス、新潮学芸賞受賞)、『雑談力が上がる話し方』(ダイヤモンド社)、『大人の語彙力ノート』(SBクリエイティブ)など多数。<写真:読売新聞/アフロ>

読書する気持ちが最も高まっているのは、本を買ったその日です。
「読みたい」という気持ちがあるから本を買ったわけで、
当然といえば当然のことですね。
「いつか読もう」と思った時点で、旬を逃してしまいます。
私の場合、置きっ放しの本を急に読みたくなるなんてことは、まずありません。
本は買ったその日が勝負なのです。

もちろん、本を買っても、忙しくてほとんど読めないこともあるでしょう。
そんなときは、1冊10分で内容をざっとチェックしておきます。
そうしておくと、後で読み直すときにページが進みやすくなるからです。

どんなに忙しくても、10分くらいなら捻出できるはず。
会社や学校の帰りの電車でもいいですし、
近ごろはカフェ併設の書店も増えたことですし、
できたら本を買ったその足で近くのカフェに入ります。

ドリンクを買って席についたら、すぐに本を取り出し、
パラパラとめくりながら大まかな内容をつかむのです。

鮮魚をさばくように本をさばく

鮮魚を買ったとして、そのまま放置したら腐ってしまいますが、
新鮮なうちに内臓を処理し、三枚に下ろして干しておけば、
後でおいしく食べられます。

本も魚と同じように、新鮮なうちにさばいておくといいのです。
ざっと内容をチェックしておけば、曲がりなりにも読み切った感覚を得られます。

気になった箇所に、ざっと線を引いておくのもポイントです。
本の途中や後半のページに線を引くと、“読んだ感”が高まります。

チェーン店「ドトール」のブレンドコーヒー・Sサイズなら220円(税込)、
「スターバックス」でもドリップコーヒー・ショートサイズが300円くらい(同)ですから、
かなりコストパフォーマンスに優れた自己投資といえます。