前年を上回る激化が予想される首都圏の中学受験の2025年入試。特集『わが子が伸びる中高一貫校&塾』の#17では、人気の大学付属校、青山学院の入試日変更に伴うプチ・サンデーショックなど、親の頭を悩ます入試の行方を占う。(ダイヤモンド編集部 宮原啓彰)
25年入試はプチ・サンデーショック発生
青学の入試日変更が及ぼす影響は?
受験率22.7%(日能研の推計)と、過去最高を記録した前回2024年の首都圏(1都3県)の中学受験。受験者数(6万5600人)の方も23年入試に続く過去2番目だ。
首都圏の小学6年生の人口が減る中、25年入試は沈静化に向かうかというと、より激化する可能性の方が高い。
四谷大塚の岩崎隆義情報本部本部長は、「首都圏の小学6年生の人口は前年よりマイナス250人と微減しているが、東京都だけは逆に705人増えている。人口増加エリアの受験率を考えると、25年入試の受験者数はむしろ増えるとみている」と分析する。
この中学受験熱の背景について、森上教育研究所の森上展安代表は、「コロナ禍の影響で、学力中位~下位層の参入が増える中、25年入試はさらに高校授業料の実質無償化も追い風になっている」と指摘する。実際、多くの中堅校で志願者数が増加中だ。
激化必至の首都圏の25年入試における最大の焦点が、いわゆる「プチ・サンデーショック」だ。
「2月2日が日曜日に当たるため、例年この日が入試日となるプロテスタント系の青山学院の入試日が翌3日にずれる」と、SAPIXの広野雅明教育事業本部本部長。
青学の入試日変更によって、慶應付属校や明大付属校など他の人気校で受験者の“玉突き”が起きることがほぼ確実視される中、具体的にどの学校で志願者数が増減すると見られているのか?次ページで、模擬試験の志願者数動向と共に詳しく分析するほか、東京農大第一や宝仙、豊島岡など25年入試における注目ポイントを見る。