歴史を知っているから
わかる世界観もある

 さらに高度ではあるのですが、歴史と世界観を組み合わせた話は歴史の生き証人としては重要です。

 例えば、私たちは冷戦の時代を体験してきました。その怖さも知っているはずです。米ソの代理戦争を間近に感じてきました。朝鮮戦争は少し遠いかもしれませんが、ベトナム戦争は記憶している方も多いでしょう。中東でも多くの戦争がありました。アフガニスタンも、米ソの対立が異なる場所で吹き出した代理戦争です。大国のエゴイズムに私たちは翻弄されてきました。その実感を後進に伝えることは極めて大きな意味があると思います。

 そして不幸なことに今、この体験が活かされるかもしれません。

 なぜなら昨年の米中貿易摩擦をきっかけに、米中二大大国の冷戦期が始まったといえるからです。さて、その時の最前線はどこでしょう。残念なことに韓国であり、この日本なのです。

 私も戦後生まれであり、戦争を知らない世代の1人です。それでも、ベトナム戦争の時代や湾岸戦争も報道を通してではありますが、経験してきた世代です。そうした危機について、悲惨さについて語っていくのも、私たちの責任ではないかと思っていますし、訳知り顔ではなく、感情を込めて自分の言葉で語れば、必ず伝わると思います。

しきたりの知恵も
喜ばれるもの

 さて、大きな話ばかりが重要なわけではありません。日常生活で役に立つしきたりやマナーの知識も喜ばれます。冠婚葬祭でのマナーは近年変わりつつあるので、私たち自身が知識のリニューアルが必要かもしれません。私の身の回りであった最近の話題でいうと、お中元、お歳暮についてです。

「ああいうものは無駄ですよね?」と20代の男性から聞かれたので、「無駄かな~?」と返しました。続けて

「お中元やお歳暮を儀礼としてとらえるのではなく、あの人にお世話になったから、何かお礼がしたいという気持ちがあれば、その気持ちを素直に表すいい機会だと思うよ。誰か、そういう季節の行事を共有したいような人はいないの?」

 と尋ねました。