NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」など、テレビで話題沸騰の「伝説の家政婦」志麻さん。
あの志麻さんが、初めて書きおろした料理エッセイレシピ本、『厨房から台所へ――志麻さんの思い出レシピ31』が発売たちまち重版が決まり、話題沸騰中だという。
レシピの背景にある波乱万丈のエピソードとともに、調理のコツも凝縮。ふだん家で食べたことのない「フランスのママン直伝のキッシュ」「梨リングフライ」「龍馬チョコレート」は絶品。さらに、「母の手づくり餃子」「おばあちゃんのお煮しめ」「けんちょう（山口の郷土料理）」のなつかしの味から、「ゆで鶏のシュープレームソース」「豚肉のソテーシャルキュティエールソース」「子羊のナヴァラン」「ローストチキン」などのフランス家庭料理、「フォンダンショコラ」「カトリーヌ先生のそば粉のクレープ」などのデザート、1歳の息子お気に入りの「鶏手羽元のポトフ」まで、実に多彩なレシピがあるという。
「3時間で15品」など、これまでのイメージとはまったく違う志麻さんが、あなたの前に突如、出現するかもしれない。
今回は、志麻さんに、山口の郷土料理「けんちょう」を紹介してもらおう。（撮影・三木麻奈、構成・寺田庸二）。
山口県の郷土料理で“精進料理”
「けんちょう」を知っている人は、どのくらいいるでしょうか。
多分とても少ないのではないかと思います。
けんちょうは、私が生まれ育った
山口県の郷土料理で“精進料理”でもあります。
材料は豆腐、にんじん、大根が基本で、
里芋やシイタケなど
ほかの野菜が入ることもあります。
精進料理ですから、肉は入っていないのですが、
食べごたえのある味で、
山口の人は好きな人が多いかと思います。
実家で暮らしていたときには、
当たり前のように食べていた味でしたが、
東京で働くようになり、頻繁に食べられなくなると
とても恋しくなります。
