今年も残すところあとわずか。
振り返れば、今年も志麻さんは数々のメディアで取り上げられた。
5/21にNHK「プロフェッショナル仕事の流儀」。12/14は「ビビット」に登場。
第5回「料理レシピ本大賞 in Japan」の「料理部門」で入賞した志麻さんの処女作『志麻さんのプレミアムな作りおき』は13万部を突破した。
いつもの冷蔵庫の食材が簡単!贅沢レシピに大変身!もう献立に迷わない!
ふだんお家で食べたことのない「タンドリーチキン」、「農家の野菜スープ」、志麻さんのレシピは、「ラタトゥイユ」、「豚肉のビール煮」、「お米のニース風サラダ」、「ローストビーフ」、「アッシ・パルマンティエ」、「ハヤシライス」、「メンチカツ」、「チョコレートムース」など、フランス家庭料理から、和洋中、エスニック、おやつまで秘伝のレシピが多数収録され、ふだん料理をしない人でも、手早く簡単に作れてしまうというから驚きだ。
冷蔵庫にあるふつうの食材が、なぜ、ワンランク上の「簡単!贅沢レシピ」に変身するのか?これさえ覚えておけば、平日多忙なお父さんお母さんも、尊敬の眼差しを浴びるかもしれない。
今回は「作りおき料理を身軽にするための知恵」を志麻さんに語っていただこう。
(撮影:新居明子、構成:寺田庸二)

志麻(しま)
大阪あべの・辻調理師専門学校、同グループ・フランス校を卒業し、ミシュランの三つ星レストランでの研修を修了。その後、日本の有名フランス料理店で15年働く。家事代行マッチングサービス「タスカジ」に登録し、1年足らずで定期契約顧客数がナンバーワンとなる。予約表に登録すると30分以内に予約で埋まり、「予約が取れない伝説の家政婦」と呼ばれるようになる。各家庭に出向き、冷蔵庫にある食材で、フランス料理、和洋中など世界各国の料理に腕をふるう。各家庭の家族構成や好みにきめこまやかに応じた料理が人気でリピーターが絶えない。フランス人の夫と生まれたばかりの子どもと3人で暮らす。

作りおき料理を
身軽にするための知恵

[シンクにためない]
 料理を始める前に、まずシンクの洗い物をかたづけます。
 ゆでたほうれん草をお湯ごとざるに上げたり、塩をしたにんじんを絞ったりと、シンクはもう一つの調理台。
 シンクに何もない状態から始めると、驚くほど料理がはかどります。

知恵1[使った器具はどんどん洗う]
 
使った器具をシンクに置いたままにすると、また必要になってもすぐに使えないし、調理の邪魔にもなるので、使ったらどんどん洗い上げていきます。鍋は、熱いうちだと簡単に汚れが落ちます。油を使わなかった器具は、洗剤なしでスポンジだけで汚れが取れます。ざるやボウルは、洗って水きりかごに上げておくと、次にすぐ使えます。

知恵2[一つの器具を使い回す]
 ゆでる野菜がいくつかあるなら、一つの鍋であくの少ないものから順にゆでます。
 野菜を炒めるときは、切るそばからフライパンに。いちいちトレーやざるに上げません。フライパンで煮物も揚げ物もできるし、底にペーパータオルを敷けば蒸し器にもなります。普通のざるは、液体をこしたり、ゆでたじゃがいもを裏ごしするのにも使えます。

知恵3[調理器具は最小限]
 調理器具を多種多様にそろえなくても、自分の手に合った重さや大きさの鍋などを上手に繰り回すほうが、ずっと効率的。
 ボウルが足りなければどんぶりやお椀やカフェオレボウルを使います。
 サラダを作るとき、ボウルに野菜を入れて、別の器に準備しておいたドレッシングをあえるのではなく、ボウルにドレッシングの材料を混ぜて、そこに野菜を入れてあえたり、ボウルに野菜を入れて、そこに調味料をどんどん入れます。
 肉や魚に下味をつけるときは、買ってきたときの発泡スチロールのトレイを使います。無駄な動きを減らす工夫です。

知恵4[自分のちょうどよさを]
 初めて作る料理なら、レシピに忠実に作ってみるのは大切なことです。
 でも、それはあくまでも目安で、調味料の分量や加熱時間など、だんだんと自分自身の「ちょうどよさ」を探っていけばいいと思います。

 特に塩は銘柄によって塩辛さが違いますし、使う食材の状態でも加減は変わります。たとえば、本書にある、「キャロット・ラペ」を作るとき、水分があるにんじんほど塩は少なくてすみます。最初は控えめに入れて、よくもんでから味をみてみます。物足りなければ足してください。
 新しい料理を一度にたくさん試すより、計量スプーンに頼らなくてもおいしく作れるレシピを一つずつ増やしていくのが、身軽な料理へのいちばんの近道かもしれません。

『志麻さんのプレミアムな作りおき』「キャロット・ラペ」

 彩りあざやかで、冷蔵庫の少ない食材でできる志麻さん「プレミアムレシピ」の数々は、連載第1回を、ぜひご覧いただければと思います。