週末こそ、いつもの冷蔵庫の食材が簡単! 贅沢レシピに大変身! もう献立に迷わない! 話題沸騰中の「伝説の家政婦」志麻さんのデビュー作『志麻さんのプレミアムな作りおき』が驚異のロングセラーとなっている。さらに、『厨房から台所へ――志麻さんの思い出レシピ31』の勢いも止まらない。こちらは新聞書評で「20代の志麻さんは、傷だらけになっても走ろうとしていた。切なすぎて胸が痛い」「食べたものは体になり、心になり、人生をつくる」と東大教授に絶賛された。志麻さんの手にかかると、冷蔵庫にあるふつうの食材が、なぜ、ワンランク上の「簡単! 贅沢レシピ」に変身するのか? 今回は「作りおき料理を身軽にする4つの知恵」を志麻さんに語ってもらおう。これさえ覚えておけば、平日多忙なお父さんお母さんも、尊敬の眼差しを浴びるかもしれない。(著者撮影:難波雄史、レシピ撮影:新居明子、構成:寺田庸二)――(こちらは2018年12月14日付け記事を再掲載したものです)

作りおき料理を
身軽にするための知恵

【伝説の家政婦・志麻さん】作りおき料理を身軽にする「4つ」の知恵とは?【書籍オンライン編集部セレクション】

 今回は作りおき料理を身軽にする4つの知恵をご紹介しましょう。

シンクにためない
 料理を始める前に、まずシンクの洗い物をかたづけます。

 ゆでたほうれん草をお湯ごとざるに上げたり、塩をしたにんじんを絞ったりと、シンクはもう一つの調理台。

 シンクに何もない状態から始めると、驚くほど料理がはかどります。

知恵1[使った器具はどんどん洗う
 
使った器具をシンクに置いたままにすると、また必要になってもすぐに使えないし、調理の邪魔にもなるので、使ったらどんどん洗い上げていきます。鍋は、熱いうちだと簡単に汚れが落ちます。油を使わなかった器具は、洗剤なしでスポンジだけで汚れが取れます。ざるやボウルは、洗って水きりかごに上げておくと、次にすぐ使えます。

知恵2[一つの器具を使い回す
 ゆでる野菜がいくつかあるなら、一つの鍋であくの少ないものから順にゆでます。

 野菜を炒めるときは、切るそばからフライパンに。いちいちトレーやざるに上げません。フライパンで煮物も揚げ物もできるし、底にペーパータオルを敷けば蒸し器にもなります。普通のざるは、液体をこしたり、ゆでたじゃがいもを裏ごしするのにも使えます。

知恵3[調理器具は最小限
 調理器具を多種多様にそろえなくても、自分の手に合った重さや大きさの鍋などを上手に繰り回すほうが、ずっと効率的。

 ボウルが足りなければどんぶりやお椀やカフェオレボウルを使います。

 サラダを作るとき、ボウルに野菜を入れて、別の器に準備しておいたドレッシングをあえるのではなく、ボウルにドレッシングの材料を混ぜて、そこに野菜を入れてあえたり、ボウルに野菜を入れて、そこに調味料をどんどん入れます。

 肉や魚に下味をつけるときは、買ってきたときの発泡スチロールのトレイを使います。無駄な動きを減らす工夫です。

知恵4[自分のちょうどよさを
 初めて作る料理なら、レシピに忠実に作ってみるのは大切なことです。

 でも、それはあくまでも目安で、調味料の分量や加熱時間など、だんだんと自分自身の「ちょうどよさ」を探っていけばいいと思います。

 特に塩は銘柄によって塩辛さが違いますし、使う食材の状態でも加減は変わります。たとえば、『志麻さんのプレミアムな作りおき』にある、「キャロット・ラペ」を作るとき、水分があるにんじんほど塩は少なくてすみます。最初は控えめに入れて、よくもんでから味をみてみます。物足りなければ足してください。

 新しい料理を一度にたくさん試すより、計量スプーンに頼らなくてもおいしく作れるレシピを一つずつ増やしていくのが、身軽な料理へのいちばんの近道かもしれません。

『志麻さんのプレミアムな作りおき』「キャロット・ラペ」

 ぜひこの週末は、家族みんな笑顔でおすごしください。