ラーメンの裏の価値を見極める
それができない場合、お客様から見て他のラーメン店と競争をしないよう、味やサービスで明確な違いを打ち出し、上手に差別化しなければなりません。ここから、「のれん」を「ブランド」にするためには、
ブランド=「価格に見合った味やサービス」×「競争相手との違い」
という公式が成り立ちます。これをしなければ、いかなる施策もブランド化にはつながらないのです。単にクーポンを配るだけではブランドはつくれないということがおわかりいただけたでしょうか。
さて、ラーメンを例に、ブランドをつくる基本的な考え方を解説しましたが、私が伝えたいことはシンプルです。えてして私たちは「裏にある価値」についてしっかり考えることなく、むしろ価値の低さを隠すために、派手なロゴマークをつけ、それを「ブランド」だと考えて、宣伝や広告に力を入れがちです。ラーメンのコスト・パフォーマンスのように、ブランドはお客様が裏側で感じる価値があって、はじめて成立するのです。
どのようなビジネスにも応用可能なブランド戦略の立案となると、もう少し複雑です。この連載でこうしたブランドづくりに興味を持っていただけた方は、私の著書をお読みいただくか、またこうしてお会いできる機会をお待ちください。
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